確定申告ライン・住民税・増える税金を1分で見える化

副業の確定申告のやり方
|スマホ・e-Taxで完結する5ステップ【令和8年分・2027年提出】

公開日:2026年7月24日 | 最終更新:2026年8月22日

副業の確定申告とは、給与以外の副業所得を自分で計算して国に申告し、所得税を精算する手続きです。次に来るのは令和8年分(2026年1月〜12月の所得)の申告で、期間は2027年(令和9年)2月16日(火)から3月15日(月)まで。いまはマイナンバーカードとスマートフォンがあれば、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」からe-Taxで、書類の作成から提出までをスマホだけで完結できます。この記事では手順を5つのステップに分けて解説し、後半では報酬から源泉徴収されている人が申告するといくら戻るのか(あるいは追加で払うのか)を、当サイトのシミュレーターと同じ計算式で試算した表を載せています。

この記事の要点
  • 令和8年分(2026年分)の確定申告期間は2027年2月16日〜3月15日。納付期限も同日。ただし還付だけを受ける申告は2027年1月1日から提出できる(国税庁タックスアンサーNo.2030)
  • スマホ+マイナンバーカード+マイナポータルアプリがあれば、確定申告書等作成コーナーからe-Tax(マイナンバーカード方式)で提出まで完結できる(ICカードリーダライタ・PC不要)
  • 国税庁は令和8年分確定申告から、確定申告会場での休日相談を実施しない予定としている。会場での相談は平日に行く必要がある
  • 報酬から10.21%が源泉徴収されている人は、申告すると戻る側か払う側かが本業年収で分かれる。当サイト試算では本業年収600万円までは還付、700万円では追加納付だった
この記事でわかること
  1. 令和8年分から変わること(先に確認)
  2. STEP1:自分は「申告が必要な人」なのか
  3. STEP2:手元にそろえる書類
  4. STEP3:副業の所得金額を計算する
  5. STEP4:作成コーナーで、どの数字をどこに入れるのか
  6. STEP5:提出したあと、いつ・いくら払うのか
  7. 【当サイト試算】源泉徴収されている副業、申告すると戻るのか払うのか
  8. あなたはどのルートで提出することになるか
  9. 「やり方」でつまずく6つの誤解

令和8年分から変わること(先に確認)

令和8年分は、控除の金額と確定申告会場の運営の両方が前年と変わります。手順に入る前に、この3点だけ押さえておくと入力時に迷いません。

項目令和8年分(2027年提出)影響
基礎控除合計所得489万円以下は104万円(655万円以下67万円/2,350万円以下62万円)令和8年度税制改正で引き上げ。作成コーナーが自動計算するので入力は不要
給与所得控除の最低保障74万円(給与収入220万円以下)本業がフルタイムの人は影響なし。年の途中で辞めた人・パート掛け持ちの人は税額が下がる
確定申告会場の休日相談実施しない予定令和7年分では3月1日(日)に一部税務署が開いていたが、令和8年分からは平日のみ。代わりに一部の休日に電話相談を実施予定
住民税の基礎控除は43万円のまま据え置きです。所得税の控除だけが上がったので、「所得税は0円なのに住民税だけかかる」人の幅が令和8年分から広がります。副業分の住民税がいくらになるかはトップページのシミュレーターで所得税と分けて表示しています。

STEP1:自分は「申告が必要な人」なのか

最初に、自分に所得税の確定申告が必要かを確認します。結論として、給与を1か所から受け年末調整を受けている会社員は、給与所得・退職所得以外の所得金額の合計が年20万円以下なら所得税の確定申告は不要です(国税庁タックスアンサーNo.1900)。20万円を超える場合や、副業がアルバイトなど2か所目の給与でその収入が20万円を超える場合は申告が必要になります。

20万円以下で所得税の申告が不要な場合でも、住民税にはこの免除がありません。お住まいの市区町村への住民税申告が別途必要になります。判定の細かい条件(本業年収2,000万円超・医療費控除で申告する年・150万円の特例など)は20万円ルール完全ガイドの判定チャートで整理しています。
自分のケースで申告が必要かどうか迷う場合は、副業の税金シミュレーターに本業年収・副業のタイプ・収入と経費を入力すると、確定申告の要否と増える税額をまとめて確認できます。

STEP2:手元にそろえる書類

申告が必要とわかったら、先に書類をそろえておくと入力がスムーズです。副業(業務委託・ネット収入などの雑所得・事業所得)で確定申告をする会社員が用意する主なものは次のとおりです。

支払調書や支払明細を集めるときは、金額欄だけでなく「源泉徴収税額」の欄を必ず見てください。ここに数字が入っていれば、その分はすでに国に納められています。後述のとおり、これが還付につながります。なお支払調書は取引先に交付義務があるわけではないため、届かない場合は自分の入金記録(振込額と手数料・源泉徴収の差額)から集計します。

STEP3:副業の所得金額を計算する

次に、副業の所得金額=収入金額−必要経費を計算します。ここでいう「収入」は経費を差し引く前の売上・報酬の合計です。源泉徴収されている報酬の場合、振り込まれた金額ではなく天引き前の総額が収入金額になる点に注意してください。

項目内容
収入金額副業で得た報酬・売上の年間合計(源泉徴収された分も税引き前の総額で計上)
必要経費収入を得るために使った費用(通信費・消耗品費・手数料など。私用と兼用なら家事按分)
所得金額収入金額 − 必要経費(この金額で20万円ルールや税額を判定する)
自宅の家賃・通信費などを副業でも使っている場合は、事業に使った割合分だけを経費にできます(家事按分)。全額を経費にはできません。また、実際に支出していない経費を計上したり売上を除外したりすれば、それは節税ではなく脱税です。所得を正当に下げる方法は実際にかかった費用を漏らさず適正に計上することだけです。何がどこまで経費になるかは副業の経費と家事按分で費目別に整理しています。

STEP4:作成コーナーで、どの数字をどこに入れるのか

書類と所得金額がそろったら、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスして申告書を作成します。スマホでもパソコンでも同じサイトです。手を止めやすいのは「どの画面にどの数字を入れるのか」なので、入力の順番と対応関係を先に整理しておきます。

順番入力する画面手元の書類つまずきやすい点
1提出方法の選択「e-Tax(マイナンバーカード方式)」を選ぶ。ここで「印刷して提出」を選ぶと最後まで紙のルートになる
2本人認証マイナンバーカードマイナポータルアプリでカードを読み取る。読み取り時に必要なのは数字4桁の利用者証明用パスワードと、署名用の英数字6〜16桁の2種類
3給与所得の入力本業の源泉徴収票「支払金額」と「源泉徴収税額」を転記する。給与所得控除や基礎控除は自分で計算せず自動計算に任せる
4雑所得(業務)の入力支払調書・売上明細継続的な副業は雑所得の「業務」。フリマの単発売却などは「その他」。収入金額と必要経費を分けて入れる欄がある
5源泉徴収税額の入力支払調書・支払明細副業側で天引きされた額を入れる欄が別にある。ここを空欄で進めると還付されるはずの税金が反映されない
6所得控除の入力各控除の証明書生命保険料・iDeCo・医療費・ふるさと納税など。本業の年末調整で済んでいるものは源泉徴収票からの転記で足りる
7住民税に関する事項「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」で自分で納付を選べる。ここを飛ばすと給与天引きになる
4と5は別の画面です。所得の入力だけして源泉徴収税額の入力を忘れると、すでに納めた税金がなかったことになり、二重に払う結果になります。送信前の税額確認画面で「還付される金額」が0円のままなら、まずここを見直してください。
e-Taxの「ID・パスワード方式」は、令和7年10月1日から新規発行が停止されています。すでにID・パスワードをお持ちの方は引き続き使えますが、これから始める方はマイナンバーカード方式を利用することになります。今後のID・パスワード方式の取扱いについては、国税庁が「改めてご案内することを予定しています」としており、現時点で終了時期は公表されていません(国税庁「「確定申告書等作成コーナー」で利用するID・パスワードの新規発行停止について」)。

STEP5:提出したあと、いつ・いくら払うのか

入力が終わると税額が自動計算されます。内容を確認し、そのままe-Taxで送信すれば提出は完了です。ここで大事なのは、申告で精算されるのは所得税だけだということ。住民税は同じタイミングでは請求されません。

いつ何が起きるか
2027年1月1日〜還付申告(納める税金がなく還付だけの申告)はこの日から提出できる。5年間提出可(No.2030)
2027年2月16日〜3月15日納税がある場合の申告期間。納付期限も3月15日。振替納税・ダイレクト納付・クレジットカード納付・コンビニ納付(QRコード)などから選べる
申告から概ね数週間後還付がある場合、指定口座に振り込まれる(e-Taxのほうが書面より早い傾向)
2027年6月ごろ住民税の通知が届く。第二表で「自分で納付」を選んだ場合は納付書が自宅に届き、6月・8月・10月・翌1月の4期に分けて納める自治体が多い
副業分の住民税を給与天引きにしたくない場合の書き方は、確定申告書 第二表「自分で納付」の書き方で画面と欄の位置まで解説しています。

【当サイト試算】源泉徴収されている副業、申告すると戻るのか払うのか

ここが手順の解説ではいちばん抜けやすいところです。原稿料・デザイン料・講演料などの報酬は、支払時に10.21%が源泉徴収されます(国税庁タックスアンサーNo.2795。1回の支払が100万円を超える部分は20.42%)。つまりその副業については、申告する前にすでに一部の所得税を納めています。

そこで当サイトのシミュレーターと同じ計算式(国税庁の速算表・令和8年分の基礎控除と給与所得控除・住民税所得割10%)を使い、副業収入40万円・必要経費10万円(所得30万円)・源泉徴収税額40,840円に固定して、本業年収だけを振って試算しました。

本業の年収副業で増える所得税すでに天引きされた額申告での精算翌年6月からの住民税
300万円15,300円40,840円25,540円 還付30,000円
400万円15,400円40,840円25,440円 還付30,000円
500万円22,700円40,840円18,140円 還付30,000円
600万円30,700円40,840円10,140円 還付30,000円
700万円61,300円40,840円20,460円 追加納付30,000円

条件:単身の会社員・副業は雑所得・社会保険料は本業年収の14.5%で概算・その他の所得控除なし・住民税は所得割のみ(均等割は副業の有無で変わらないため除外)。本業の所得税は年末調整で精算済みとし、副業分の増加額と源泉徴収税額を比較しています。300万円と400万円で所得税額がわずかに違うのは、課税所得の千円未満切捨てによる端数の差です。

境目は「自分の所得税率が何%の帯にいるか」です。源泉徴収の10.21%は、所得税率10%に復興特別所得税2.1%を乗せた水準そのもの。だから課税所得が5%の帯にある人は納めすぎになっていて差額が戻り、20%の帯にいる人は源泉徴収では足りず追加納付になります。上の表で600万円と700万円の間に大きな段差があるのは、この帯の境目(課税所得330万円)を越えるからです。

本業年収629万〜665万円あたりは、副業所得を足すと合計所得489万円の基礎控除の段差を越えるため、上の表から素直に補間できない動きをします。この帯の詳細はトップページの「20万円ラインの段差と2026年分だけの逆転現象」で別に試算しています。
還付額だけでは翌年の住民税を払えません。上の表のどのケースでも、還付される所得税(10,140〜25,540円)より翌年の住民税(30,000円)のほうが大きくなっています。還付金が振り込まれた時点で使い切ってしまうと、6月の住民税で足が出ます。還付は「戻ってきたお金」ではなく「翌年の住民税の前渡し」くらいに考えておくと安全です。

20万円以下で申告しないと、天引きされた分は戻らない

もうひとつ、源泉徴収されている人だけに起きる論点があります。経費を適正に計上した結果、副業の所得が20万円以下になったケースです。所得税の申告は不要になりますが、申告しなければ天引きされた40,840円もそのまま国に残ります。本業年収500万円・副業収入40万円で試算した結果が次のとおりです。

必要経費副業の所得申告しない場合任意で確定申告した場合
20万円20万円所得税0円だが源泉徴収の40,840円は戻らない(別途、住民税の申告と20,000円の納付)所得税12,500円が確定し、28,340円が還付
25万円15万円同上(住民税15,000円)所得税7,600円が確定し、33,240円が還付
30万円10万円同上(住民税10,000円)所得税5,100円が確定し、35,740円が還付

条件は上の表と同じ(本業年収500万円・単身・副業は雑所得・源泉徴収税額40,840円)。20万円ルールは「申告しなくてよい」という免除であって「してはいけない」という禁止ではないため、任意で申告できます。

この3ケースはいずれも任意申告したほうが手元に残る額が多くなります。しかも任意で確定申告をすれば住民税の情報も市区町村に回るので、別途の住民税申告が不要になります。「20万円以下だから何もしない」を選ぶと、還付を捨てたうえに住民税申告の手間だけが残る、という形になりがちです。
上の2つの表は当サイトが国税庁の速算表・基礎控除表・給与所得控除の計算式に基づいて算出した概算で、実際の税額を保証するものではありません。扶養控除・iDeCo・医療費控除などがある場合は金額が変わります。また源泉徴収の対象になるのは原稿料・デザイン料・講演料・士業報酬など法令で定められた報酬に限られ、物販やアフィリエイトなどは通常源泉徴収されません。ご自身の支払調書・支払明細の源泉徴収税額欄で実額を確認してください。

あなたはどのルートで提出することになるか

「スマホで完結」と言われても、そもそもその条件を満たしていない人もいます。上から順に見て、最初に当てはまったところがあなたのルートです。

あなたの状況提出ルート
① マイナンバーカードがあり、読み取り対応スマホがある作成コーナー → マイナンバーカード方式でe-Tax送信。最短ルートで、PCもICカードリーダライタも不要
② マイナンバーカードはあるが、スマホが読み取りに非対応PC+ICカードリーダライタ、または「スマホ用電子証明書」を搭載したスマホで送信
③ すでにe-TaxのID・パスワードを持っている引き続きID・パスワード方式で送信できる。ただし新規発行は令和7年10月1日で停止済みで、今後の扱いは未公表
④ マイナンバーカードもID・パスワードもない作成コーナーで申告書を作り、印刷して税務署へ郵送または持参。この場合はマイナンバーカードなどの本人確認書類の写しを添付する
⑤ 副業がアルバイト・パート(2か所目の給与)ルートは①〜④と同じだが、入力するのは雑所得ではなく2枚目の源泉徴収票。判定も収入金額で行う(2か所給与の記事
⑥ 副業所得が20万円以下で、源泉徴収もされていない所得税の確定申告は不要。市区町村への住民税申告だけを行う(住民税申告のやり方
⑦ 対面で相談したいことがある令和8年分からは会場の休日相談が行われない予定。平日に会場へ行くか、電話相談・チャットボットを使う。会場は事前の入場整理券(オンライン予約)が必要
国税庁は令和7年分の案内の中で「既に約9割の方が、確定申告会場に来場せずに確定申告しています」としています。会場が混むのは事実なので、①に当てはまる人は自宅で完結させるほうが早く終わります。

「やり方」でつまずく6つの誤解

手順そのものより、思い込みで遠回りしている人のほうが多いところです。

申告の前に、副業でいくら税金が増えるか数字で確認しませんか?
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本業年収・副業のタイプ・収入と経費を入力するだけで、確定申告の要否と増える税金を1分で診断。登録不要。

まとめ

この記事は2026年8月時点の制度に基づく一般的な解説です。所得区分の判定・必要経費の範囲・利用できる控除は個々の状況によって異なる場合があります。記事内の試算は当サイトが公表資料に基づいて計算した概算であり、実際の税額を保証するものではありません。個別の判断については、税務署または税理士にご確認ください。